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2012年09月25日

ステーキを食べる日

たまーにビーフステーキを食べる。

年に2〜3回かな

                                            

明日は山へ旅立つという日に、ゼイタクをすることにした。

こういう時には、デパートの肉屋へ行くことにしている

でも、長いショーケースを見渡しても、この日はヒレ肉が出ていないではないか

                                               

ケースの向こうで作業中の女性に聞くと、「在庫を見て参ります」と

奥の巨大な冷蔵庫へ入って行った

                                                  

ややあって出てきて、「本日は黒毛和牛と糸島牛のヒレがございます」

それぞれ、グラムいくらです、と付け加える。  安い方を選ぶべきか?

いやいや、今日はゼイタクをするのだ。 「脂の少ない方にして。」

                                                   

120グラム切ってもらう。

切るのは男性の仕事らしく、白衣に白い帽子の若い人が大きな包丁を持ち出して作業する。

目の前の秤にのせた。

デジタル表示が、きっかりと120グラムを指す。

おお、見事。

私はこういう職人仕事が大好きであるから、これだけでもう、ご馳走の半分は味わった。

やっぱりデパートはいい気分にさせてくれる

                                                   


持ち帰って調理するが、これは簡単なものである

強い火で焼いて、仕上げに赤ワインを鍋肌からたらし、ガスの火を鍋に入れると

炎が立つ。

ロースの時には盛大な炎だが、ヒレはちょっとだけ

こうしないと香ばしくならない

亡くなった母が、「私は怖くてできない」と言ってたっけ

                                                     


ワインをグラスに注いで、焼きたてのステーキを食べる仕合せ

レアで食べる最上の肉は、明日からのエネルギーになってくれるだろう

                                                     

山旅を楽しむ前哨戦が、こうやって始まった

身体中を使って、生きていることを味わうのって素敵だ。


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山はすっかり秋だった。


                                             

2012年09月03日

9月がやってきた

休日にじっとしていることは稀である。

雨さえ降らなければ、そして風邪でもひいていない限り、必ず外に居る

                                                  

先日訪れたのは、山あいの田園。

9月になったばかりというのに、ここでは黄金色の田んぼが広がっている。

田のそばに、お地蔵様がいらっしゃる。

たくさんの花を供えられ、お顔もちょっとお化粧されたお地蔵様。

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素通りすることができなかった。

こんなにお世話されているのはどなたなのか、人柄が偲ばれる。

                                                    

村の入り口にも、きれいにお化粧されたお地蔵様。

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こうやって、昔から今まで代々受け継がれた信仰。

丁寧に暮らす日常あってこその信仰であることが、見ているだけで分る。

ここには、畏れがある。

畏れの感情を失ってはいけない。 つくづくと、私たちは傲慢になってしまった。


                                                

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豊葦原の瑞穂の国。

                                                

葦原はとっくに減ってしまったが、田んぼの稲穂だけはまだ豊かだ。

何百年にも亘って多くの手数をかけられて存続している、この美しい田園。

自然の中で、自然を畏れつつ営まれてきた、先祖たちの生活。

言葉はなくとも、多くのことを語りかけてくる風景を前に、私は沈黙するしかない。

・・私も丁寧に日々を暮らそう。

                                                     


足の向くまま車を走らせると、いつか山道を登って行く。

行き止まり。

ここに、清水の湧き出す水汲み場があった。

水神様が祀ってある。

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今日はどうも、土地の神様にご縁があるらしい。

ちゃんと榊が供えてあって、小さな社は人家のかたちをしている。

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誰が作ったものか、陶器製だが素人離れした出来栄えである。

                                                

賽銭箱に100円入れて、水を汲ませていただく。

近くの人らしいおじさんが先客で、こんにちはと挨拶された。

ご挨拶し返して、手持ちのペットボトル3本をいっぱいにする。

清々しい場所、知る人ぞ知る、そんな水場だった。


                                                 

帰りに寄った道の駅。

私はこういうお店が大好きで、野菜や何かをいつも買い込んでしまう。

                                                   

今日は新しいものを見つけた。

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長さ7〜8センチの短くて縞模様の茄子。

フェアリーテイルと名札がある。 妖精のシッポ?

手に取ってはみても、食べ方が分らないと皆置いてゆく。

好奇心強い私は、文句なしに買う。

どうやって食べるか、考えるのが楽しいんでしょ。 これが料理の醍醐味よ。

                                                

さて、帰る途中考え考えして、油で素揚げしてマリネにするのはどうだろうという結論に

なった。 きれいな色を生かすのに、これが良いのではなかろうか。

                                                 

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こんなふうに。

酢のしみ込みがいいように、後から二つに裂いてみた。

柔らかでキメの細かい、茄子らしくないお味だった。もちろん美味。

                                                

少しは丁寧な生活に近づいた??ちょっと違うかしらん。

9月は始まったばかり、さあ、待ちうけ体勢は充分である。