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2012年08月30日

夏の終わりに

厳しかった夏が過ぎようとするこの時期は

忍耐の中にも楽しみを見つけることができる

                                                   

耐え難かったあの暑さが 少しづつ弱るのを見

やがて涼しい風が吹くことを  夕べの葉音が告げるとき

心には ゆとりが生じる

                                               

終わりが見えぬ時は辛い

しかし 過ぎ行くきざしが見え始めると

辛さは一転して楽しみへと変わり出す

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8月の終わりは 真昼の日差しにも どこか哀れが漂い

いつか日暮れが早くなったのを知る

ぴたりと止まったように思われた時が 動き始めたのだ


                                               

お店に入って 秋の服を見繕う楽しみ

そろそろ 花を飾る習慣も取り戻そう

彼岸花を 今年はどこへ見に行こうか


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久しぶりで バラに肥料をやる  よく頑張ったね

私と一緒、夏に弱い貴女よ  

もう息を詰める必要もない  すくすくと葉を伸ばせよ

                                                

種も蒔かぬのに生い出したアサガオが 青い花を静かに開く

ヘブンリー・ブルー、すなわち「天上の青」という種(しゅ)だ

くるくるとツルを巻き 夏の終わりに控えめに咲く 天上の花よ


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さわやかな秋空が広がるまでには まだまだしばらくの我慢だ

でも もう そこまで来ている秋よ  楽しみの秋よ

さあ 計画を立てよう  幸いな時を過ごすべく

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2012年08月15日

お盆

お盆の時期に、昔からの友人のご主人が亡くなった。

突然の病気であっという間に悪くなられ、友人にとっては悪夢のような夏だったと思う。

                                                      

数年前、もう一人の友人もご主人を同じ時期に亡くした。

事故だった。 当然、心の準備をする間もなく。

                                                    

人生の苛酷さに、言葉は見つからない。

                                                      

私たちが出会ったのは、ある山岳会の新人募集の集まりだった。

3人ともはたちの盛り。

すぐに意気投合して、いろんな山に行った。 

                                                    

卒業前には、ネパールヒマラヤでトレッキングを楽しんだ。

ツアー会社などなかった当時、自分たちですべてを手配した楽しい旅だった。

                                                    

若い時の友人は価(あたい)高い。

心の柔らかい頃に話し合ったあれこれ、共に齢を重ねつつきた越し方。

                                                   

遠く離れていても互いの心がつながっていることは、確認せずとも知っている。

私たちは、友人である以上に、仲間なのだ。

何の仲間なのか、それは今まだ明らかには分らずとも。


                                                   
数年前も今回も、私にできるのは一人涙を流すこと

そして、彼女がはやく立ち直れるよう祈ること。


                                                  

亡くなった人の魂は、山の頂に行くというそうだ。

美しい信仰である。

古来、故人の魂はふるさとを見下ろす山の上にあって、子孫を見つめ幸福を祈る、

そう考えられてきたらしい。  そしてお盆や彼岸には、子孫のもとを訪れると。


                                                    

私たちの亡くなった家族が、今どんなにしているかと

私たちの様子を伺いにやってくる、そんなお盆の頃 

亡くなった人達の魂が平安であり、残された人たちの魂にも平和があるように

そう祈るばかりである。

                                                 


数年前の時は、秋になって彼女から写真添付のメールを貰った。

「だいぶ元気になりました」

「母が持ってきてくれた葡萄に、こんなのがあったのよ」

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ハート型の葡萄!  「あなたは愛されている」というメッセージ!

そのとき、私のつたない祈りは聴かれている、と思った。

                                                      

まだまだ元気には程遠かったようだが、少しでも慰めになったのなら嬉しい。

                                                    


辛いお盆の頃。 早く再会を喜び合えることを祈るばかりである。