宝満山へ
暑い。
今日も37度の予報が出ている。
しかし9月の連休に北アルプスへ行く予定だ。 山へ行ってトレーニングしなければ。
前回の山では、へとへとに疲れた。 心もとない。
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こんな暑い日は、宝満も人が少ないのではないか、そう思って出かけることにした。
九重へ行けば涼しいのは分かっているのだが、往復4時間はもったいないし、筋力を
鍛えるには宝満の、あの石段が効く。
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登り始めから1時間は、高温と多湿で猛烈な汗である。
左耳から右耳へぐるっと後ろ回りに、髪の毛が水をかぶったようになっている。
シャツの、胸から下は色が変わるほど濡れた状態。
まぶたを伝う汗が目に入ると痛いので、その前にぬぐわなければ。
小さなタオルで拭ったあと、胸のポケットにしまうのだが、気づくとポケットまわりまで
タオルの濡れが移って、変色している。
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ここまで汗まみれとなると、かえって爽快である。
いつも休む水場が見えてきたが、ザアザアという水音がしない。
切ったパイプから流れ落ちる水は、今までになく細くて、水枯れ寸前である。
山も、この酷暑には参っているのだろう。
百段ガンギ。
修験道の山らしい、この雰囲気が好きである。
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朝食を摂っていないことを思い出し、コンビニのおにぎりを食べた。
お陰でちょっと元気が出て、石段の段差も、避けずに大きく越えていく。
大腿筋を鍛えなきゃ。
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半ばを過ぎると、汗を出し尽くしたのか高度とともに気温が下がったのか、身体が落ち着いてくる。
とともに、樹林の登りが終わって変化のある道となり、ここから山頂は遠くない。
辛さを慰めてくれる、ホトトギスの花。
樹林で聞こえていたソウシチョウのにぎやかな声が、いつしかシジュウカラの静かな声に
変わっている。
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大石の間からぽっかりと出て頂上へ登る。
このあっけなさは、いつも楽しい。
登り切った山頂には、夏の終わりを告げるトンボの群れがおり、黄色と黒のまだら模様の
大きなオニヤンマがその間を行き来していた。
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夏と秋のあわいの、青い空と白い雲。
標高800メートル台でも十分に涼しい。
結構な人数が休んでいて、自分の脚力だけでここまで来た人々の誇りと、自然が穏やかな
時に見せる、いつもの平和が満ちている。
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私のザックには、2リットルのペットボトル。
2本入れるべきだが、1本で止めたのは自信の無さにほかならない。
次は2本。
しかしこんなで、9月は大丈夫なのだろうか?