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暑い日の山

猛暑との予告に違わず、連日暑い日が続く。

熱中症を避けて室内で過ごすのも手だが、やはり面白くない。

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最近始めたゴルフでもいいけれど、一人では出来ないし、この暑い中付き合ってくれる

人を探すのは骨が折れる。
                                                                 
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となれば、山だ。

低山を避けて高い山へ行けば避暑にもなるし。

ということで、早朝に出発して向かったのは九重。

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山アジサイの花がまだ咲いていて、一気に涼しさを感じる。

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ここはまだ6月か。

登るにつれて、今度は夏の花が出てくる。

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サイヨウシャジン。

本州で見るときはツリガネニンジンだが、ここ九重のはこの名。

どこが違うのか、もう忘れてしまった。

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涼しいとは言っても、真夏の直射日光が照り付け、高山の岩場はやはり気が抜けない。

子供連れもお年寄りも慎重に登っている。

ずっと長いこと登ってきた山だが、私も前より時間がかかるようになってしまった。

岩の上を歩くとき、バランスがうまく取れず近くの木の枝につかまったりするが、

筋力の衰えだけでなく、これは神経のつながりが悪くなったことが原因だとか。

経験でカバーして歩いている部分が大きい。 

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途中、鷹が飛ぶのを見て長時間ストップ。

双眼鏡を昨夜リュックから出したのを、どんなに後悔したことか。

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裸眼で見た心もとない観察ではあるが、トビではない。 ハチクマだと思う。

最大で7羽を同時に数える。

尾羽や背中の羽の先端が白っぽく、顔も白い幼鳥が多いと見た。

登山道を横切っていく1羽を近く見たが、羽はボロボロ。

これは子育ての終わった成鳥だろう。

嬉しさと、カメラのない口惜しさを同時に味わう。 口惜しさの方が勝った。

こんなに数いるのに記録できないとは。

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あきらめて歩き出す。

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ようやくに九重山が見えてきた。

山に咲く花は、なぜか白いものが多い。 この花の名前はわからない。

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シモツケソウの群落。

登山道をちょっと外れたところにあり、ここ10年定点観察しているが、少しずつ大きく

なっている。 ただ、よそへ広がっていくこともなく、人目を避けて栄えている風情。

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ワレモコウに、山の秋が近いことを思わされる。

自然は働き者である。 暑いさ中にもう、次の季節の準備がなされている。

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頂上に立つと初めて、阿蘇の山なみが見える。

阿蘇はいつも美しい。 そして雄大である。

日本アルプスとは違った明るく開放的な山なみに心洗われ、独りを楽しむ山頂の時間だ。

ゆっくりと降りてゆこう。
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