思いつくままに
学生街を歩きて
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いささかの 悔ゆることあり 大いなる
夢も抱かず 過ごせし日々を
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若き日は あやまちと学び 連なりて
楽しき時には あらじと思う
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立看とゲバ棒ありし キャンパスに
いま秋たけて 知らぬ風吹く
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塀こえて われ追い来たる人のあり
大学横の 黄いちょう盛り
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秋の日に
天人の 空高く飛ぶか こんな日は
日ざし澄みきり 風透(とお)る朝
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家族とは 良きものなりし 姉と参る
骨壺の父 何を思うか
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恩讐の日々遠くして 眠りたる
ちちはは祖先は 白き骨なる
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師走
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つむじ風 巻きて集むる 落ち葉赤く
今年の秋も 終わりたりしか
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ひたひたと 部屋にさし入る満月の
白き光に 貫かれたり
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学びたき 多くはあれど 中天を
はや降(くだ)りそむ 冬の満月
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