コクマルガラス
風が強く、鳥を探すには向いていない日だった。
でもお天気は最高、久しぶりにぶらぶらすることにした。
菜の花がもう咲いている。
キラキラした陽射しがまぶしく、春のようだ。
風は冷たく吹き付けても、陽光に身体がのびのびしてくるのが分かる。
明るさは、文句なしに希望をもたらす。
しかし鳥が少ない。
あちこちと回ったあと、広い田んぼにカラスの群れを見つけた。
いつもと違い、今日はカラスでも近づいてゆく。
おや、キュウキュウッと可愛い声が、黒いカラスの群れから聞こえる。
コクマルガラスが居るな。
双眼鏡で探すと、これは多い。 ミヤマガラスの中にたくさんのコクマルが見える。
白黒のパンダみたいなコクマルガラス。
その間にいる、同じ大きさのもコクマルだ。
後ろの背中と比べると、大きさの違いが分かると思う。
飛んだ。
上の3羽はコクマル。 白黒が淡色型、右のは暗色型、左のは幼鳥。
そして、白黒の下にいるのがミヤマガラス、左のはその幼鳥か。
ミヤマガラスの翼はちょっと透けていて、その向こうの尾羽が見える。
普通のハシボソガラスでもこうなるのかな?
こういう細かいことをちまちまと考えるのが、バーダーという変わり者人種である。
ちょっとした風にも飛んで、電線と田んぼを行き来する。
何枚か撮ると、1羽以外はすべてコクマル、というのがあった。
・・・・さて、どれがコクマル以外のカラスか分かりますか?分かりますよね。
図鑑を見ると、コクマルガラスは中国からモンゴルあたりに分布しているが、以前アジア美術館
で見たインドの神様、シバ神の妻パールヴァーティのもつ杖に止まっていたのは、
確かコクマルだった。 インドにも居るってことじゃないのかな。
こうやって、ちょっとでも何か面白く撮らせてもらうと、今日も良き日となる。
明日も寒い日らしいが、春は遠くない。
元気で頑張ろう。