久しぶりのフィールド
ちょっとゆとりが出来たので、久しぶりに鳥を見るためフィールドへ出た。
枯れがれとした冬の野に柔らかい陽が射し、遠くにチュウヒが止まっている。
いいなあ、この風景。 やはり冬の景色が好きである。
車で回るうち、ひとりふたりと鳥の友人たちに出会い、近況や鳥の話になるのも楽しい。
コミミズクが昼間から飛ぶという。 出る場所で張り込むことにした。
誰もがそうだろう。 私もこの鳥が大好きである。
枯野を音もなく飛ぶのを見ると、鳥好きの血が騒ぐ。
車を止めて中でひっそりと待つ。
1時間ほど経ったころ、車の前をふわ〜っと飛ぶ。
遠くの草はらに下りた。
動かない。 1時間経過。
外に出ることはタブーなのでじっと待つが、ぞくぞくとバーダーの車が集まってくる。
前はプロ写真家、後ろはあの人。ハヤブサがヘビをつかんで海へ捨てた話を聞かせてくれた。
うろうろしているのは、何年も会ってないあの人。サシバを見に行って一緒になった。
短いレンズで撮った群れの写真が上手だった。
眠くなりかけたころ、コミミズクは飛び出した。
写真家の車のすぐ近くを飛んでいる。 さすが、ポイントを摑むのがうまいな。
いつの間にか車の向きも微調整してあって 参考になる。
動きたいところだがじっと待っている。
時おり、エサを見つけては反転して地面へ下りるが、いかんせん遠い。
やがてこちらへ向かいだした。さあ、モノにするぞ!
逆光の中を、翼を光らせてこちらへ来た。 冬らしい写真が撮れたと思う。
もう1枚、タンポポの白い綿毛の上を飛ぶのも。
車のすぐ横も飛ぶが、これは難しい。
近すぎてピントどころか、ファインダーに入れるので精一杯。
いわゆるノートリミングでこのサイズだが、こういう近さできわどくショットを決めるのは
愉快。 運動神経との戦いだ。
ああ、楽しかった。
ホシムクドリももう渡ってきている。
冬は今からが本番であるが、しかし春はそう遠くない。
楽しみはすぐ手元にはないが、先に見えている。
手のひらで暖めるようにして、こういう時期を楽しむのが、好きである。