« 誕生日 | メイン | 原生林 »

猛暑の年である。

生まれて以来、こんなに暑かったことはないと思う。

家にいても外へ出る気にならないので、珍しく休みは読書に明け暮れた。
                                                 

ずいぶん前に、つまらない小説なんか読むのはやめよう(作家の皆さん、ごめんなさい)と

思って以来、子供の頃からの活字中毒も影をひそめていたのだが。

                                                   

外の暑さも忘れて、エッセイやノンフィクションを読んでいた。
                                                  

 fukurou7589G_R.jpg
                                                  


伊集院静氏、この人については「夏目雅子の夫」くらいしか知識がなかったが、

「別れる力」と題のついた作品は、なかなかに感動させる力があった。

別離の苦しみを潜り抜けてきた人にのみ書ける世界。

年齢が増えるに従って、どんな人にも別離の悲しみはある。

でも、それが人生の力になってゆくのだ。振り返って私もそう思う。

                                                


それから佐藤優氏。国家の罠、という本が盛んに売れていたのは記憶にあるが、

その頃はまだ読む暇も気力もなかった。


今回何冊か読んで、その精神力の強さと知力に驚いた。

また、外交という世界がどのようなものであるか、日本にとって今後どれだけ必要なものと

なっていくのか、初めて知った。

                                                   


このお二人ともに共通しているのは、人格がしっかりと確立されていることである。

                                                   

伊集院氏には鋭い感性、対して佐藤氏には、少しも感情に流されぬ論理力がある点が

違っているが、共に揺るがぬ芯を持つ大人である。


苦しい経験が、更にそうなることを後押ししたのであろう。

                                                    

本は、やはり面白いものだった。

_DSC9214a_R.jpg
                                                     
                                                     
                                                  

しかし猛暑はいつまで続くのだろう。

親を見送ったあとであることを感謝した。

もしも自宅に年寄りがいれば、仕事中でも心配しただろうから。

                                                  

そういう私も、子供からはクーラーをつけなさい、水分を摂って、と心配されている。

クーラーは、2年前につけた。 今年、有り難く使っている。

                                                   

私にとって夏は鬼門なのだが、昨年夏から暑さ対策を諸々取ってきた甲斐あって、

今年はだいぶ楽な気がする。

免疫力が落ちていないといいけど。

P1000037_R.jpg