初夏の山小屋で
1年ぶりでFさんの山小屋にお邪魔した。
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時は6月初め、初夏の候。
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山小屋というのが適当かどうか。
ともかくすべて手作り、40年以上かけて今も工事?は進行中である。
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林道をまっすぐ走ってきて、はたしてこの先大丈夫かと心配になりだした頃、急にあたりが開ける。
澄んだ水が音高く流れ、新緑が枝を広げる沢ぞいに、小屋がいくつか。
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私はどうやら遅い到着だったようで、1台分だけ空いた場所に止めるよう、指示される。
懐かしい人たちが迎えてくれて、今日の会が始まった。
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沢から水を引いて小屋を建て、周りの杉林に巣箱をかけ、別天地となったこの場所で
招待された客が年に一度語らいの時を持つ。
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こんな素晴らしい過ごし方ってあるだろうか。
しかも、時は初夏である。
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あたりを散策するのも、植物の先生付き。
イワガラミとツルアジサイの違い、コアジサイとヤマアジサイの、花が着いてない時の見分け方。
等々教えてもらって、ちょっと利口になる。
初対面でも自然が好きなもの同士、すぐに打ち解けて和気あいあいとなってゆく。
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ありゃ、もう12時だ。早く帰らなきゃFさんが待ってるよ。
案の定、むすびが冷めてしまいます、と小屋の前でその人は心配していた。
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薪で炊いた飯盒のごはん。
甘味があって美味しい。
いつもご馳走ばかり食べてるでしょうから、たまにはこんなのもいいでしょう。
その通りだ。 贅沢が当たり前と思っているかも。
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清流のほとりで囲む食事の時。
爽やかな山あいに、人のつながりの輪。
鳥啼けば 心の結び目ほどけたる
野原のみどり 若草の露