« 糸島 | メイン | 春は第一歩を踏み出す »

春ちかし

2月も終わる。

2月から3月にかけての、春の気配が漂いだした頃が好きだ。

もしかしたら、春そのものより好きかもしれない。

                                          

休日に遊びに出かけると、必ず道の駅で買い物をする。

この季節は、春を感じさせる食材が多くて楽しい。

                                              

齢とともに、少しでいいから美味しいものを食べたい、と思うようになるのは

自然なことなのだろうが、私にとって美味しいもの=質素な家庭料理である。


                                              

ふと思いついて、毎日作るおかずをここ数日間撮ってみた。

                                                


この時期になると、稚魚が取れだして「釜揚げちりめん」という名まえで出ている。

海辺の「駅」で買った、これは卵とじに。

P1000267_R.jpg

                                                

早いもので、もうツクシを見かけた。 こちらは農村の「駅」で。

これも卵とじだけど、重なるから翌日用。

春の食材は、うす甘く黄色い卵でとじた料理が似合う。 卵も本来の旬は春だというし。

                                        

さより。  細長く青みがかった姿が美しく、干物を見るとつい買ってしまう。

P1000265_R.jpg

                                             

以前は夜、洗い物をするついでに塩をして、お酒につけたあと流しの上につるしておくと

翌朝食べるのにちょうど良い干し加減になっていた。

最近、こういうものを売る魚屋さんが近くになくなってしまって残念。

写真のものを焼いてみたが、塩がききすぎだった。 やはり。


                                               
春野菜を炒める。

P1000266_R.jpg

野菜しか使っていない、ほんとの野菜いため。 しかし春の気配がいっぱいで美味しい。

                                               

こちらは砂肝といっしょに。 葉つきごぼうに、春の大地の香りがした。

P1000283_R.jpg

ごぼうの葉も、この若さだと食べられるのだ。

                                                 

湯豆腐。 まだ寒さが残る時期だから。

P1000277_R.jpg

お豆腐の上にはふきのとう味噌。 刻んだふきのとうと甘味噌で作る。

生姜を添えるのは冬の名残。  まだまだ寒いから、やせ我慢は禁物だ。


                                         

そして暖かさが空気に感じられるようになると、お吸い物の出番がやってくる。

だしは楽にとれるよう、ガラス瓶につけておいて鍋に移すだけ。

P1000281_R.jpg

焼きアゴは博多雑煮に使う飛び魚。 それに、島原で買っておいただし用の干し海老。

昆布と3種で美味しい吸い物ができる。

寒いころには味噌汁がおいしいが、春には吸い物が似合う。

こうやって整える夕飯を、美味しく頂けることに幸せを感じる。

                                         

もう一つ道の駅で必ず買うもの、それは花。

安い上に、長もちするのだ。

P1000272_R.jpg

帰ってきた時に出迎えてくれる花、これは買って2週目。 

花とともに帰りを待っている、黒猫。

P1000260_R.jpg

幸福のおおもとは、毎日の暮らしにある。


                                       

ごらんのように、たいしたものは食べてない。  家も古くて雨漏り、黒ずんだ壁。 でも、

この家のなかに、私の幸福が穏やかに息づいている。