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2015年05月17日

大菩薩

2回目のサークル同期会で、大菩薩嶺へ。

山梨県内に降り立つのは何年振りだろうか。 車窓からの風景はさほど変わっていない。

新緑の山と、田植え前の水を張った田んぼ、鯉のぼりがカラカラと音たてて泳ぐ家々。

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改札を出ると、いたいた、懐かしの顔が。

おおーい、こんにちは。

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ええっと、今からちょっとハイキングです。

明日に備えて足馴らしをしましょう。

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 これはお寺だろ、鳥居があるから

 違うよ、鳥居は神社だろ、何言ってんだ

と、若者みたいな会話をしながら甲斐の国の史跡を歩き、丘に登る。
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塩山温泉の、古びた宿で宴会。

今年は、卒業以来のメンバーもいるので、改めて自己紹介をする。

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  ―‐10年前にガンになって、オレ死ぬのかなと思ったら、やりたいことをやろうと

  いう気になったんだ。

  それで会社を辞めて資格を取って、コンサルを始めました。

  ちょっと体力的にきつい部分もあるんだけど、若い起業家から感謝されてやりがいが

  あります。

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  ―‐仕事でシンガポール・シャンハイ・成都と、あちこち行きました。

  ここ数年は国内にいるんで、今は年間100日山に入っています。

  もう300名山を制覇しました。 

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  ―‐40過ぎて大学院に入り、博士号を取りました。

  今はいくつかの大学で、英語を教えています。

  大学院の費用は夫に頼らず、自分で日本語教師をして貯めたのよ。

  皆さんより遅いスタートだけど、社会人になりました。

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皆、ここへ来るまでにいろんな道を通って来ている。

私はごく平凡です、という人も、決して平たんな道ばかりではなかっただろう。

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最後は山の歌。

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   青春を ともに過ごせし われら居て

      夕餉はなやぐ 新緑の宿

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そして、部屋に戻っても日本酒を飲みながらおしゃべり。

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俺たち、いい時代に学生だったよなあ。

  ほんとうに。
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社会は活力に満ちており、管理されない大学の中で自由に過ごした。

ナホトカまで貨物船で行って、シベリア鉄道に乗り継げば、ヨーロッパに安く行けると

語り継がれていたし、アフリカ大陸を一人バイクで縦断した女子学生もいた。

私も、鎖国しているチベットに、いつか行きたいと夢見ていた。

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日本も世界も、あれからずい分と変わったのだ。

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翌朝は大菩薩峠から大菩薩嶺を目指して歩く。

標高差300メートルであるからたいしたことはないが、今の私たちにはお似合いだろう。

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富士山が見事!

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やっぱり富士は、日本一。

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おい、遅れるとバテてると思われるぞ、早く行ったがいいよ。

そんな会話をまじえながら、好天の登山路を快適に歩いた。

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大菩薩嶺。もう来ることもないだろうと、証拠写真を撮ってもらう。

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「もう来ることもないだろう」、これは最近、時々思うこと。

それゆえにひと時ひと時が大切である。

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最後の峠に着く。

ここでも富士山が美しく迎えてくれる。

おい、記念写真とろーぜ!

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旗は私が思いつきで作った。

思いつきであるからヘタクソだ。

次はもっと立派なの作ってくるから!

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あっという間に別れの時。

昨年は西と東に分かれたが、今年西へ行く電車に乗るのは一人。

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また会おうねー

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来年は福島方面。 という予定。

みんな、元気で。

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  テント出て 頭上おほえる星空に

      うち泣きし君  われ皆若し