ぬり絵
遠出できない日が続くので、ぬり絵をやってみた。
大人のぬり絵が流行っているというのを思い出し、本屋で手に取ってみてその描線の
美しさに惹かれ、買っていたものだ。
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ステッドラーの色鉛筆48色を用意した。
まずは手始め。
やはり60色を買うべきだったと後悔した。
塗ってみて分かったことがある。
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使う色は、系統に従って選ぶべきである。
青系なのか、黄色系なのか。
ごちゃまぜになった1枚目は、美しくない。
べた塗りよりも、ぼかし効果を使うと美しく仕上がる。
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2枚目の小鳥は想像上の色あいであるが、やっていくうちに、それではつまらなくなった。
3枚目のフクロウは、図鑑片手に塗ってみた。
次はカワセミ。
2冊の図鑑を使用した。 もちろん原画は図案であるから、多少デフォルメされている。
下クチバシの赤い、メスに仕上げた。
これには時間をかなり費やした。 終わるとフッと息をつく。
しかし、なかなか面白いものである。
ぬり絵とバカにするなかれ。
カワセミと共に書き込まれた花を何色にするか、これは難しい。 しばらく考えることにする。
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びっちり塗りこんで疲れたので、次はあっさり描こうと思う。
まずは種類の同定。
クチバシの長さ、身体と頭部のバランス、眉斑のはいり具合。
右側の小鳥は、コヨシキリと決めて色づけした。
この作家は、雌雄同色ではつまらないと考えたらしく、左側のメス(?)は個性を殺して
描いてある。
これは、私も平凡に塗ってみた。
・・・・・・色鉛筆画ってやったことがないので、こういう色付けでよいのかどうかは分からない。
もっとあっさり薄く描くものなのかもしれない。
しかし、やってみて分かった大きな点は、日ごろ写真として撮っていても、細部は
全く頭になく、撮影と見ることとは別もの、ということであった。
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カメラマンは、撮影すると気が済んで、何か自分のものになったような気がしている。
しかし、実は何事も自分のものになってはいない、そういうことであろう。
何ひとつ、とまでは言わないが、ほとんど自己満足で終わっていたようなものだ。
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浅いなあ、自分をそう思えたのは、ぬり絵のおかげである。
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