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2016年10月30日

ぬり絵

遠出できない日が続くので、ぬり絵をやってみた。

大人のぬり絵が流行っているというのを思い出し、本屋で手に取ってみてその描線の

美しさに惹かれ、買っていたものだ。

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ステッドラーの色鉛筆48色を用意した。

まずは手始め。

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やはり60色を買うべきだったと後悔した。

塗ってみて分かったことがある。

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使う色は、系統に従って選ぶべきである。

青系なのか、黄色系なのか。

ごちゃまぜになった1枚目は、美しくない。

べた塗りよりも、ぼかし効果を使うと美しく仕上がる。

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2枚目の小鳥は想像上の色あいであるが、やっていくうちに、それではつまらなくなった。

3枚目のフクロウは、図鑑片手に塗ってみた。

次はカワセミ。

IMG_0654_R.JPG

2冊の図鑑を使用した。 もちろん原画は図案であるから、多少デフォルメされている。

下クチバシの赤い、メスに仕上げた。

これには時間をかなり費やした。  終わるとフッと息をつく。

しかし、なかなか面白いものである。

ぬり絵とバカにするなかれ。

カワセミと共に書き込まれた花を何色にするか、これは難しい。 しばらく考えることにする。

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びっちり塗りこんで疲れたので、次はあっさり描こうと思う。

まずは種類の同定。

クチバシの長さ、身体と頭部のバランス、眉斑のはいり具合。

右側の小鳥は、コヨシキリと決めて色づけした。

IMG_0655_R.JPG


この作家は、雌雄同色ではつまらないと考えたらしく、左側のメス(?)は個性を殺して

描いてある。

これは、私も平凡に塗ってみた。

・・・・・・色鉛筆画ってやったことがないので、こういう色付けでよいのかどうかは分からない。

もっとあっさり薄く描くものなのかもしれない。

しかし、やってみて分かった大きな点は、日ごろ写真として撮っていても、細部は

全く頭になく、撮影と見ることとは別もの、ということであった。

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カメラマンは、撮影すると気が済んで、何か自分のものになったような気がしている。

しかし、実は何事も自分のものになってはいない、そういうことであろう。

何ひとつ、とまでは言わないが、ほとんど自己満足で終わっていたようなものだ。

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浅いなあ、自分をそう思えたのは、ぬり絵のおかげである。

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2016年10月04日

石垣島のアカハラダカ

石垣島の友人と電話で話していると、

「もうすぐアカハラダカが渡っていくわよ。」

その言葉にピーンと反応して、え、行こうかな。

来たら? あっというまに決まった。

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私が鷹にはまったきっかけは、アカハラダカである。

朝鮮半島から、日本の西をかすめて沖縄列島を経由し、南へと渡っていく

アカハラダカの群れは、身体が小さいためあっという間に頭上をかすめて飛び去る。

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来るよ〜 そう言われて構えたレンズは、ようやく1枚しかピントが合わず、それでも

鋭い眼で見下ろす姿が何とか残っていた。

その姿と、飛び去るスピードに「鷹ってすごい」と思ったのがキチガイの始まりである。

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朝8時。

登っていく車の窓から、もう飛んでいるのが見える。

急いで急いで。

群れが頭上を過ぎてゆくが、こんなに近いのは初めて。

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お腹が真っ赤な雄である。

400ミリレンズを持参したが、カメラは久しぶりの機種で連射モードにできない。

次々に来るのに、1枚ずつしか撮れなくてあせる。

近くにいた人が同じメーカーなのを見て、教えて下さいと食い下がると

親切に切り替えてくれた。

あとで分かったが、有名なプロだった。

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目の黒い、1枚目は雄だが、黄色いこれは雌。

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セミをぶら下げて、食べながら行くもの

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脱糞しながら行くもの

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群れて鷹柱を作り、上昇して台湾方面へ飛んでゆく。

また、戻ってくるものも多く、どれだけが渡って行ったか判別は難しい。

秋の八重山諸島の真っ青な海の上を、お腹の赤い鷹たちがビュンビュンと飛ぶ日。

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自然はなんて美しく、不可思議なものか。

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鷹たちは、誰に命ぜられたでもなく、しかし確実に毎年この儀式を行っていく。

3日間通って、観察の皆さんとすっかり仲良くなった。

帰りの挨拶は、「また来ます、よろしく。」

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鷹の渡りを見る楽しみに勝るものは、いまだ見つけられずにいる。

が、匹敵するものならば、それはある。 山に登ることだ。

私はやはり、自然の中にいることが好き。

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