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2014年08月30日

8月の秋

まだ8月なのに秋めいてきた。

雲高い空、 鳴きしきるツクツクボウシ、木陰ではひやりとした風。

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夏に撮った写真は、整理もしないままパソコンの中。

涼しくなった部屋で、少しづつ開いてみる。

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この夏はカワセミを、ブラインドの中に入らせてもらって撮った。

目で見るだけでは分からないその美しい色が、画面の中でいきいきと輝いている。

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この青は、日本の美しい古語ではなんと表現するのだろう。

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この春に孵った兄弟が、たまたま出くわしてテリトリー争いをする。

もう一人前である。

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新しいパソコンと新しいソフトに慣れず、苦労しながら整理するうち、もう日差しは傾き

夕刻ちかい涼しげな風が木の葉をゆらす時間である。

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いつまでも降る梅雨のような気候で、本棚の扉に白っぽいカビが生えている。

休みの日は短い。  写真はこのへんにして掃除もしなければ。

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いつの間にかまた、本が増えている。

最近は、不要になると古本屋に持っていって処分できるので便利だ。

そろそろしなくては。 本棚がすっきりすると気持ちがいい。

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暑いうちはやる気の出なかったいろんなことが、秋になると進む。

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そういえば、テレビ番組の「花子とアン」で主人公の夫が経営していた印刷会社。

日本で最初に聖書を発行したところだというので、うちにある古い聖書の奥付を見ると

やはりそこで印刷されている。 実際の会社名は福音印刷。

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これは母方の祖父のものだったのを、私が貰って保存している。

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古い古い本である。

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発行は明治38年。 学生だった祖父が購入したものであるが、当時の学生にとっては

結構な値段だったのではないか。

歴史と肉親がつながって、なんだか嬉しい気分だ。

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さて、9月はもう天候不順とは無縁でいってほしいものである。

青空が恋しい。


2014年08月03日

北アルプス

お天気が悪いので心配です、一緒に下山して下さい。 お願いします。

友人のこのリクエストで、一人先に下山する私は千葉のパーティーに入れてもらうことになった。

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雨の北アルプス心臓部。  下山に1泊2日の行程が必要。

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晴天なら何ということはないが、今年は残雪が多い上、連日の雨と風なのだ。

朝6時、4人パーティの中に入れてもらって歩き出す。

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視界がきけば素晴らしい眺望であろうに、なんにも見えない。

雪渓には、迷わないよう赤い塗料?が点々とこぼしてある。

そこをたどって黙々と歩くが、途中ヘンな感じがし始めた。

これでいいのかなぁ?間違ってない?

あとから来ていたパーティがいつの間にかいなくなっているし。

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ガスの中、上の方に立っている人がかすかに見えてきた。

「道はこれでいいんですかねー」とリーダーが大声で呼びかけてみる。

風に乗って声がかすかに聞こえる。

「上を見てくるから、そこで待ってろって。」

「あの人、昨日山小屋で一緒だった人よね」

「青春18切符で旅してる人」 「ああ、おじいさん18切符って言ってたひと」

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しばらくすると濃いガスの中、再びその人は現れて、道を教えてくれた。

峠で私たちは右に、その人は左へ。

最初の目的どおり、水晶岳に登るつもりだ。このガスと強風の中を。

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ピークを通らず巻いてゆく道が、雪のせいで通れない。

すべてのピークに登って降りて。  

筋肉が鍛えられる。 きついけど、どこかに快感もあり。

生命の充実感。  生きている。

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千葉の人たちのおかげで、きびしい場所を通過することができた。

袖擦りあうも他生の縁とやら。 またお会いしたい良き人たち。

楽ではない道を共にたどるゆえ、つながりも深まる。

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しかし、「先に行かれてもいいのよ、急ぐんでしょう」  この声に甘えて昼からは別れた。

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一人で雪渓を登る。 ルートが分からなくなると誰かが現れて教えてくれる。

あとさきになりながら歩いて、分岐になると一緒になって地図を見ながら相談。

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多少天気も持ち直してきて、槍ヶ岳が見える。

嬉しいなー  何年ぶりの槍だろう。

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でも、前に見たときより、私は確実にトシをとって体力が落ちてる。

残念だなー  いつまでもここに登ってきたい。


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雪渓とお花畑。

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久しぶりの北アルプスは、悪天ながらも無事終わった。

帰ったら、落ちだしていた筋肉がまた付いたのを感じる。

毎日6時間以上歩いたのだからな。

階段も楽だし、前みたいにたくさん食べられるし、体重は逆に落ちてきた。

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やっぱり、目標を持ち続けていなくては。

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