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2014年05月16日

同期会

飛行機が松本空港に向かって高度を下げると、雪の山々が見えた。

                                                   

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血の気が沸きあがってきた。 ああ、北アルプス、北アルプス!

                                                  
昨年の10月に決まった大学のサークル同期会がほんとに実現。

長野までやってきたのだ。

                                                  

1名のみ仕事で来られず、6名が集まった。

                                                  

昔のような山行きは無理であるから、ケーブルで八ヶ岳の中腹に登る。

次の日、霧が峰を歩く。 この二つが今回の課題である。

                                                   

八ヶ岳。 思い出の山である。

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私ね、初めて登った本格的な山が八ヶ岳だったの。

ああ、僕もだよ

あ、そうか、一緒だったよね。 

私は10回くらいは登ったと思う。  初めての冬山もここだった。


                                                

ケーブルの駅から多少は歩いてみる。

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登山路は雪に埋もれて、これ以上行けない。  誰もいない北八つの森は、夏を待っていた。
  

あの頃、何十年もたってから皆で来るなんて思ってみただろうか。

並んで記念写真。 撮ったあと集まって、液晶画面を見て「おーいいね!」と言い合う。

                                                 

霧が峰を歩く頃には、だいぶ足も馴れてきた。

部屋にあったお菓子だよ、とみんなに一つづつ配る人。

私だけは個室だったから、その分一つ足りないはず。

K氏、自分は食べないでみんなに渡したな、と、思いながらも口には出さず、

美味しいねと食べる。

                                                   

霧が峰は眺望のよい高原で、車山の上からは北・中央・南アルプス、八ヶ岳、富士山

そして御嶽山に乗鞍と、日本の屋根がすべて見えるのだ。

                                              

ああ、飛行機に乗って来た甲斐があったよ。

そうだね

                                             

あれが槍であそこが穂高、と、名前を言いながら山々を指していく。

自分が登っていないところは分からないが、6人いれば誰かが言い当て、見えるすべてが

確定してゆく。

                                               


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       若き日に登った山を並んで見つめる


                                                 


6人の集まりが、ともに歩くうち有機的につながって一つになってくる。

東京で飲んでいるのとは明らかに違う。  これが、山に登るという行為の素晴らしさだろう。

                                              

そう感じるようになった頃、解散の時はやってきた。

茅野駅で東と西とに別れる。

バイバイ、また会おうね、元気でな。

                                              

隣のホームに特急が滑り込む。

手を振って乗り込んでいく。こちらも手を振る。

列車が走り出した。 車内で3人そろって手を振るのが見える。

こちらの3人も手を振る。 私は両手を振った。

                                                

同級生っていいね。

気を使わないもんな

話も合うしな

                                               

また来年のお楽しみ。

次は東京組が幹事である。

私に回って来た時には、九重と阿蘇。 そう決めている。

                                               

願わくは、みんなが元気でいつまでも続けられますように。

   
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     君らみな 明るき顔して歩きたり

       歳月(としつき)の影は なきがごとしに