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2012年05月20日

井原山

イハラではなくイワラと読むらしい。 私の好きな山である。

昨年の穂高で捻挫して以来数ヶ月、久しぶりに登ってみた。

                                                 

最初は沢ぞいにゆるやかな登り。

ここがまず、気持ちよい。

                                                 

さわやかな水の流れを何度か渡って進むと滝が現れ、かたわらに咲くウドの花は白い。

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レースのような羊歯がそこここに葉を広げ、沢を明るくしている。

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テンナンショウの仲間。 天南星と書くのは素敵だが、マムシグサと呼ぶのは可哀想。

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やがて道は沢と別れ、急峻な登りとなるが、ここからがこの山の真骨頂。

以前は急だなんて思わずいつの間にか登っていってたんだけどなぁ。

尾根に出ると素敵な道となる。

                                                 


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この場所が一番美しいところ。

白い石は石灰石だろう。 ふもとに鍾乳洞を持つ山である。

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こんな道を歩いていると、へばってはいられない。

                                                   

照葉樹の森を抜け、やがてクマザサと広葉樹が混ざり出す。

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ごきげんで登ってゆく。

足が重くなってきたのは疲れだろうが、美しい景色に連れて行かれる。

                                                  

新緑が頭上に。

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尾根を登り続けてようやく頂上に出るが、そこからの景色なんてそうたいした意味はなく

この山は、途中の美しい登山道に素晴らしさがある。

ここに初めて登ったのは高校時代。 先輩に連れてきてもらった。

山の何たるかも知らず、ワンピースをひるがえしながら山頂まで行った思い出。

                                                        


それから何度登ったことか。

体力がなくなるのとうらはらだが、恐らくそれゆえに魅力が分るようになってきたのだ。

                                                     

ここは良い山である。

下りた後の成就感が、また堪えられない。 山はいい、いつも。


2012年05月07日

春は往く

春はひそかに来たり たちまちのうち過ぎゆく

                                                   

森の中で人知れず花咲かせ

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木陰で踊る

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水は緑に満々とし 見つむる者の心なぐさむ

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水落つる処 桜花散り敷き

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十一面観音菩薩 のびやかに笑い給う

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訪れ遅き山々に  緑はふもとより出で 今駆け登らんとす

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また 山寺の水のほとり 緑の草萌えて 野の仏を飾る


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この春の姿を いにしえより人々愛で 語り継ぎうたい継ぎしか

                                                

我もまた讃えん 春をもたらす大地の力

心溢れるとも  言葉は足らずつたなし

                                                

往く春の候に心は寂しむとも

また来る時を思い 別れを告げむ