糸島
福岡の西にある糸島は、かつての伊都国であり、早くから文明開けし良き土地である。
田んぼの連なる伊都の地には、あちこちに古墳や遺跡があって、福岡近郊といっても
また別の地のおもむきがある。
銭瓶塚古墳などという立て札を見ながら、そのゆえんを思ってみる。
1月大寒の今日は、暦とうらはらに暖かだった。
例によってタカを待つ。
しばらく時間が過ぎたころ、電柱に何か止まるのを見つけた。
ハヤブサであったが、この膨らんだ胸はどうだろう! お腹いっぱい食べた直後だ。
飛び込む先を確認してから後を追う。
昨年生まれのハヤブサ、まだまだ幼い。 やあ、こんにちは!
今日の鳥見はここまで。
近くにある友人の家で、今日は牡蠣焼き会である。
遅れてしまった。 時間を過ぎて行くと、みんなはもう赤い顔。
牡蠣にサザエ、それにアワビ。 豪勢な素材が集めてある。
炭火でこれを焼く。今日はあるじ作成の竹筒によるかっぽ酒も。
車で来てるからアルコールは抜きだが、ビールはともかく、かっぽ酒は飲んでみたかった。
竹筒の下の方は、黒く焼けて熱い。 決して酒飲みではないのだが、見てるだけなのは
ちょっと辛い。
1本目を飲んで、「これは焼酎の方だよ」と皆で言っている。
2本目が来る。 やっぱり日本酒の方がいいよね。
やや、違うよこっちが焼酎だ、最初のが日本酒だったんだ、と、いい加減なものである。
あー飲みたいなー
宴はたけなわ、隣の人と喋っているうち、高校時代の写真部の後輩の友人であることが分る。
「3校展で知り合って、それ以来の友人です」「私はS校の写真部だったものですから」
おお、3校展。
福岡市内の3校の写真部が合同で、年に一度写真展を開く伝統だった。
たまたま部長をしている時に幹事校の番が回ってきて、場所決め・寄付集めはすべて
世間知らずの18歳であった私の仕事に。 パンフレット作成も一人でやった。
それなりに苦労した経験も、今となっては懐かしい。
「ええっ、K君の友人なの?彼はプロカメラマンになったんでしょ?新聞で読んだワ」
「そうですよ、電話してみましょうか」
かくして、数十年ぶりに後輩と電話で話すことになった。
世間は狭いものである、まことに。
4月、桜の頃に次の会を約して、お開き。
年齢とともに、同世代との気の置けない集まりが、何よりも快いものとなってきた。
そのつど顔ぶれは変わっても、いつも楽しいのは、この家のあるじの人がら。
ありがたいことである。
糸島は良いところだ。
自然も人ものんびりと、肩の力が抜ける場所。