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2011年02月16日

きさらぎの雪

例年になく寒かった1月が終わり、2月は多少楽だと思っていた。

なのにまた雪が降る寒い週末になろうとは。


どこへも行きようのない休日、市民の森から油山に登ってみる。

低い山だが中腹からは雪の傾斜が続く。


赤松の林では何本かが伐られていて、降る雪の中切り株が赤い。

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昔読んだものの中に、桜の木のことがあった。

桜は春になると樹の全身を赤く染めている、開花した花の色はその表れなのだと。


そのことを思い出して覗き込むと、年輪の中心ほど赤い。

降ったばかりの白い雪の中、自然の色とも思えぬほどの赤みははっとするほど美しい。

登りはわずか1時間の低山でも、街に居ては思いもつかぬ楽しみが待ち受けていて、

だから山はいい。 なんか最近たいした登山もしてなかったなぁ。


次の雪の日には、1年ぶりに出水のツルを見にゆく。

インフルエンザが出て立ち入り禁止なのは知っていたが、そろそろ北へ帰る頃、

その姿くらいは遠くからでも見送ってやれるだろうと。


案に相違して、入れる田んぼもある。

雪混じりの風が強く、今日は北へと飛びそうにはないが、元気な彼らを見ると嬉しい。

やあ、元気で過ごしていたんだね!

ツルの仲間には絶滅危惧種が多いが、ここにいる彼らもその例に漏れない。

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ナベヅルの親子。世界に1万羽くらい生息しており、ここにはその8割以上が集中している。

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雪の中を飛ぶマナヅル。

ツルの姿は美しい。優美な彼らはまた、夫婦愛もひときわ強いのだ。

マナヅルは世界に4000〜5000羽と、もっと少数。  その半分が集中している。

インフルエンザがここに発生したと聞いたときには、ヘタすると絶滅につながるのでは

ないかと心配したが、現在のところ死んだ鳥は7羽。


一斉に発病してしまうニワトりとは違って、広く散らばって過ごす野生の彼らは逞しいのか。

ともあれ、養鶏地でもあるこの地のことを考えて、早々に退散することとした。

どうか北へ帰る日まで、ツルもニワトリも無事であるように。

雪は降っても、1月の雪とは違う。

溶け出すとまたたく間に消え、春は近いと告げている。


ああ、美しい春がまた来ると思うと、心が弾む。

2月きさらぎはそんな月。