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2010年10月24日

関門の山

秋だというのに夏日。


関門の山に登ると、わずか15分でも汗ばむ。

しかし登ると絶景。

眼下に巌流島、対岸には下関の街、そして本州と九州を隔てる狭い海峡が

青く光る。

小鳥の群れがたくさん通る。ここは船ばかりか鳥にとっても、交通の要所なのだ。

何かな、と目をこらして見ると、尾根を上がりきった所で風向きが変わるのかぱっと

体の向きを変える。黒かった群れが、みな一斉にオレンジ色を見せる。

ムギマキだ。


わあ、嬉しい。ムギマキの群れは初めて見る。


その後はマヒワがたくさん続く。


20羽、30羽、と小さな群れが日がな通っていくが、どこまで行くのか?

関門海峡を背にして、黄色いマヒワが飛ぶ。

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なかなかに贅沢な風景だ。


関門海峡はその昔、源平合戦のあった古戦場。

どれだけの悲劇が繰り広げられたのか。

最期の絶望の中からこの山を見上げた人もあっただろう。

・・今、何事もなく船が行きかう海峡を見下ろして、マヒワを見ることの仕合せ。

秋を楽しむことの仕合せ。

私たちの生活は、たくさんの幸運に支えられている。


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小雨の次の日、福岡の山でもマヒワを見かけた。

左がオス、右がメス。小さな身体でぶら下がって、夢中で食べる。


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ひわ色。この鳥からくる色の名前。美しい日本語である。

2010年10月18日

サシバの渡る山

タカの渡りを見る、これが私の秋の楽しみ。

4種のタカをいつも見に行きますが、10月の連休はもう3種目、サシバの時期。


「ダーウィンが来た!」これは素晴らしい番組で、昨日はサシバとオオタカが題材でした。

サシバ。以前はどこの里山にも居るタカだったらしいけど、今は渡りの時にしかなかなか

見ることができない。


展望台から見る向こうの稜線に、休憩するサシバ2羽。

右は大人、左はまだ若いサシバ。

例によってからかいに出るカラスも、子供の方に向かっていく。

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「やーいやーい」って言ってるのかどうか、いかにもバカにしてるような口の動き

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やりすごしたかと見えたサシバの若者、やはり血が騒ぐのか

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後を追って駆け下りる。驚く大人のサシバ。「おいおい」

その後しばらくの沈黙。稜線の向こうで何が行われているのか伺いしれず。


やがて間があったのち、カラスが飛び出る

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先ほどの若いサシバに蹴られた?

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勢いがついて上がったあと、そのまま降下。背中の羽が波打っている。


こういう出来事が見られるのも、バードウォッチングの楽しみだ。


山すそではソバの花が白く咲き、黄金の稲穂とのコントラストが美しい。

山里が一番輝く時期。

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2010年10月08日

シギの食事は

秋の日に、海辺でキョウジョシギに出会った。


キョウジョは京女?シギにしては派手な色をしているが、この時期は多少落ち着いた色あい

となっている。


波打ち際をしきりに行ったり来たり。

こちらを気にもせず、どうもエサ取りに熱中している模様。

白い波しぶきの海ぎわへちょこちょこ走って行ったかと思うとトコトコ戻ってくる。

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双眼鏡で覗くと、貝をくわえている。よし、腰を落ち着けることにしよう。

危なっかしい岩場に三脚を低く立て、私も座り込む。

波がしらが見える程度には風があるが、まだ寒くはなく、シギのお相手をするのに

うってつけの心地よい日よりだ。

海を前にすると気持がひろびろとし、こんな仕合せなことはないと思う。

山が好きだが、海もまた良い。

獲ってくるのはいつも同じ貝。よく海岸で見かける一枚貝だけど、名前は知らない。

よほど好きなのだろう。

どうやら、波打ちぎわの石にしかこの貝は貼り付いていないと見える。


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くわえる時は、いつも貝がらが下、身が上になっている。

上のクチバシを石と貝との間に差し込んで獲っている、ということだ。

波のかからない安全な場所へ持ってくると、身をつつく。

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しかし簡単には身は外れないらしく、そのうち振り回しだす。

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海水が飛び散るが、目はしっかりと閉じて。


奮闘の甲斐あってやがて貝がらが外れ、美味しそうにごっくん。

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見ていて可愛い。

何度も何度も行き来して、たくさん食べたがまだあきらめないシギたち。


遠い南の国へ渡る前の、腹ごしらえだろう。

図鑑で調べると、彼らが夏を過ごすのは北極海沿岸。

そして、越冬の地はなんとオーストラリア・ニュージーランド、東南アジアだ。


いつもながら、渡り鳥には神秘を感じて言葉もない。

果てしない旅をする彼らが無事であるように。

そしてまた、来年春には姿を見せてくれるように。

祈りつつ、海岸をあとにした一日だった。