春探し
立春から10日。
そろそろ年中行事の「春を探しに行く」をやろう。
目指すは当然南。
高速はガンガン、降りての田舎道はのんびりと走る。
梅の花が暗い谷を白く輝かす街道すじ。
家々に花咲き、ていねいに住みなす人の心に暖まる。
「いのしし肉あります」ふーん
「山太郎ガニあります」え?どんなカニ?
知らない土地をゆくのは面白い。
お屋敷の塀にこぼれるのはどう見ても桜。

春は名のみならず、しかと来たるなり。
さて、だいぶ走ったことだし。
私はコンビニのお弁当がダメなので、道の駅を見つけると必ず寄る。
袋から出したるはコレ。

風はちょっと冷たいけど、外で食べよう。暖かいお茶は用意してきた。
田んぼを見下ろしておいしい昼食。
煮しめってサイコーのごちそうって信じてる。
さらに川のそばを走りゆく。
カワウがたくさん浮かぶ。あら、中にもう白い夏羽をかぶったのが。

季節は裏切らない。確実にめぐる。
おやつにしよう。
デコポン、先ほどの道の駅で買っておいた。3つで350円、格安。

むくと立ち昇るかぐわしい香り。美しきオレンジ色の果実よ、汝やさしき味なり。
おや、鳥の大群が渦巻いている。

これはまた、珍しいものに出あった。 なんだろう?
ひとつの命のように渦を巻き、長く延びまた丸くなり、やがてふたつに裂けて
一つは空のかなたへ、もう一つは地上へと落ちて行ったが、むろん私からそれは
遠く、見えない。
車を走らせてゆくと、電線に止まる黒い鳥たち。
ミヤマガラス。

ああ、おまえ達だったのか。そろそろ大陸へ帰るのかね?
春はもうそこまで来ています。
帰りしな、県境近くの川原ではほら、こんな。

さて、そろそろ重いものは脱ぎ棄てよう。
服だけではなく。