晩秋の陽
春にしか感動を覚えなかった頃 私は若かった
いま、秋の終わりの茫々とした日暮れに惹かれる年頃となり
車を駆って枯野をかけめぐる
日の出も春とは違うが
日の入りは更に違う
傾きだした陽射しが草を黄金色に輝かす頃
そう、2時ごろからが好きな時間
いつもの葦原に着くころ 霜に焼けた草が紅く光る
顔なじみに挨拶して 私一人逆光側に立つ
ねぐら入りするチュウヒを 光る草の中で捉えようと
紅く輝く草原に舞い降りるタカが撮りたい
いつもうまく行かないが いつかは と思いつつ日没に居る
真っ赤な晩秋の入り日よ ねずみ色の風景の中でただひとつ色を持つもの
ああ音もなく沈む ああ地平に没する
うつくしき秋の陽よ 再びよみがえれ また明日は朝日として昇れ
