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2009年04月27日

つばめ

早くも春のうしろ姿が見え出すころ。

ああ、良い季節はどうしてこんなに速く過ぎ去るんだろう。


天候も不順、疲れもたまるし、思うほど野山へ行けないイライラ。

でもある日、ようやくの遠出です。

初めて行く場所は新鮮で、子供のように心弾む。

車で通る牛小屋のそば。

あれ、今のツバメじゃなかったかしらん。通り過ぎる頃気づいて引き返す。


やっぱりそうだ。巣立ちしたばかりでまだクチバシの黄色いヒナ達が、道端に並んでいる。

そーっと車を降りて、遠くからカメラで狙う。

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                     親がやってきて降下、子の口に照準を合わせてる


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                            ゴックン、呑みこんだところ


おや、すぐ近くに別のヒナが降りちゃった。距離にして5Mか?

私のほうは目に入らない様子、ピイピイ鳴いて親を探す。

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                             ママー おなかすいたよぉ!

見ていると、そばを通る大人のツバメに相手構わず口を開けてるみたい

親をどれだけ認識できてるのかなー


でも、親の方ではちゃんと子供が判ります。さーっと飛んで来て餌をやる。

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                 後姿の翼は、羽の先がでこぼこしていて痛んでいる様子


やっぱり子育てで消耗してるんですね、可哀想に。

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                               口の中に餌を押し込んでもらうヒナ


親の頭が子の口にめりこんで、食われそうな勢いです。

このあと親は素早く飛んで行きますが、私のそばをすれ違いざま「チュイィ!」と脅していく。

ヒナに近づきすぎると、抗議してるんです。

「でも、あんたの子があとから来たんだよ」これが私の言い分。

秋の終わりごろ、何万という集団で群れをなすのは、すべてその年孵った、こういう若つばめです。

親たちはさっさと越冬地に帰るのですが、若者はいつまでもうろうろ。

翌年無事に帰って来れるのは、そのうちどれだけなんでしょう?

渡りは小さな鳥たちにとって命がけの冒険。

まだそのことを知らない子つばめよ、今のうちだよ たくさん食べさせてもらっておけ!


季節はそろそろ、初夏へと移ります。

毎年のことながら、いつの間にか盗人のように春はこっそり変化していく。

気づいたころにはもう、良き頃はすっかり失われているんだ。  ああ。

私の春恋いはいつまでも続きます・・・

2009年04月13日

森のなか

春の森はどんなかな?久しぶりに訪れる。

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                              しんとした森に深呼吸


「太古より斧入(い)らぬ森」、ここは人の手のはいらぬ原生林。

ヤブレガサの芽を探すが、開いたのばかり。遅かったか・・

2時間ほど登ってようやく出会う。

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                    これが好きなんです、可愛いでしょう?

開くと森はこんな感じに

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                          いっぺんににぎやかになる!

日差しを浴びて、明るい傘が道を照らす

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小鳥がさかんに鳴いている。

3Mまで近づくミソサザイ、ペアで明らかに営巣場所をリサーチしているヒガラ、ゴジュウカラ。

おや、2Mまで来た。でも、今日は登山だからと、カメラも出さないで歩く。

急傾斜は好き。だって短時間に高度が稼げるから。

足腰の筋肉を、厳しく使う心地よさ。身体が喜んでいるのが分かる。

向かいの山があっという間に低くなって、見下ろす尾根には裸の木々。

うす茶色の起伏が続き、ここでは春はまだ眠っている。


汗をかいて岩場を登ると、忘れていた感覚がよみがえる。

若い昔に攀(よ)じた、冷たい岩の感触。あの頃の体力はもうないから、今は安全に。

しっかりと岩を掴み、体重をずずっと移動する。ちょっと怖い。

筋力の衰えと共に、バランスが悪くなってるのはよく分かっているから。


登り尽きるとやはり気分がいい。リュックから食糧を取り出す気分はしあわせ。

しかし独りの山は長居も無用、早々に下山。

先ほど緊張した岩も、今度は簡単に思える。一つ越すとこんなもんか。


昨日から考え続けた問題が、だんだんに頭の中ではっきりとしてくる。

一歩一歩踏み出す足とともに、モヤモヤとした事象は澄み切って、結論をあとに置き去る。


足もとに気遣いする必要のない場所へくると、私の態度はもう決まった。

だから山が好きなんだ。


ああだけど、春の森はなんて素晴らしい!

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                               スミレは咲きこぼれ

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                              ブナは美しい肌を見せる


日ごろ使わぬ筋肉が痛む、しかし私の足取りは軽い。

ふもとへ向かって森をくだる。

2009年04月05日

春を取り戻しに

高速の料金所。

カーナビが「料金は5550円です」と言っている。

ドキドキ、通過――表示は「1000円」。

おお、やっぱり1000円なんだ!


今朝は暗いうちに家を出て、いつの間にか過ぎ去ってしまった春を取り戻す計画。

1000円になって2週目、今日はそんなに混んでもいない。


山道を登ると、道端に黄水仙が明かりを灯したように並ぶ。春の色、それは黄色。

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登るにつれ、おや、さっきまで咲いてた花が突然蕾に。

わずか200メートルほど進むと、雪を割って新芽が出たばかり、でもちゃんと蕾をつけて。

春を待ちかねたと、全身で叫ぶ。

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ふきのとうも顔を出してる、わ〜 ここはまだ春が始まったところなんだ。

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高度を上げるとともに、盛りの春からつぼみの春へ。

アオバトがいる、これも春を告げる鳥。枯れ枝の間からしか顔を見せてくれないけど。

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桜を探すつもりだったのに、それどころか梅が満開。ここではまだ、冬が終わったばかりのよう。


点在する別荘らしき建物のほとんどに人の気配は絶えていて、でも中には白い煙を

煙突から上げているのもある。独り住む人がいるのか。

遠山に白い残雪も見え、季節を2ヶ月はさかのぼったかな。なんとなく得した気分。


車を一番上に止め、カメラを担いで歩く。

遠く斜面を登っていくキツネ?のふさふさした白い尻尾

驚いてそばから飛び去るヤマドリの赤く長い尾羽、 あ、しだり尾。

みんなしっぽしか見せてくれないの?


あきらめて降りる。ふもとの里でも桜は硬い蕾だ。

きらきらと陽光が降り注ぐ川のほとり、桜並木は赤みがかった枝を連ねて並ぶ。

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一日季節を元に戻して、野山で遊ぶ贅沢。

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土筆に子供の頃を思い出す。九大田島寮で毎年ツクシ摘みをしたっけ、一部の人にしか

通じない話だけど、あのあたりも取り壊しですね。

すべては流転するんだ・・・


2009年04月02日

春はもう

3月は怒涛のごとくに過ぎ去りました。

ひと月をどう過ごしたか、今思い出そうとしてもよく覚えていない。


でも、桜は高速バスの中から毎日のように眺めました。

春がやってきて、そのはじまり部分がもう終わろうとしているのは分っているのです。

だけど、なんだか靴の上から足を掻いているような気分。

もどかしい。


こうやって振り返るゆとりができ、今日はちょっとひと息。

珍しく過去の写真を見てみる。

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                              ああ、ここには春がある

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                              去年は春を満喫したんだ


こうやってわずかに自分を慰める。

良い季節を楽しむゆとりがないって、ほんとに寂しい。


まあしかし、4月は手付かずで残っている。3月の分まで頑張るぞ!

何に頑張るかって?人生を楽しむことにですよ、もちろん。